偏頭痛(片頭痛)と女性ホルモンには因果関係はあるのか
偏頭痛(片頭痛)の苦しむ人は多いですが、実は片頭痛の成人患者の約75%は女性です。これは何等かの女性特有の原因で片頭痛を発症していると考えられる数字です。では女性と男性では何が違うのでしょうか、やはり先ず思い浮かぶのは女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)です。もちろん男性にもこれらのホルモンは存在しますが、量的には圧倒的に女性が多いため、このあたりが発症率の差に現れているのでは無いでしょうか。
片頭痛を引き起こす原因はまだ解明されていませんが、痛む原因としてはセロトニンが多量に放出され血管が収縮したあと、時間経過によるセロトニンの減少とともに血管が拡張されるときに周囲の神経を刺激するときに起こるというのが有力になっています。女性は生理前や生理中に片頭痛を発症する場合が多いですが、女性の片頭痛の約半分は生理が関係していると言われます。
さてでは生理時に女性の体ではどのような変化が起こっているのでしょうか。ここで女性ホルモンの登場です。女性ホルモンは平時と生理時で分泌量に大きな変化が生じます。女性ホルモンであるエストロゲンは生理直前や排卵時に分泌量が減ります。ところがこれに連動するようにセロトニンの分泌量が減少します。セロトニンの分泌量が減ると前記のように血管の拡張を招いてしまいます。つまりこの場合に限っては片頭痛の原因がエストロゲンの減少にあることが特定できます。これが片頭痛が女性に多い原因です。
これは生理が始まる小学校高学年程度から片頭痛を訴える女性が増えることからも裏付けられます。また閉経前になるとエストロゲンの分泌リズムが狂ってきて安定しませんので、片頭痛が酷くなる場合があります。また妊娠安定期や閉経後にはエストロゲンの分泌量は安定してしまいますので片頭痛は少なくなります。こう考えるとエストロゲンの分泌量の変化が女性の体に大きな影響を与えていることが伺えます。
原因は特定できてもエストロゲンの減少は女性の体のリズムとして必要ですので、むやみにエストロゲンを増やすような薬は使えません。したがって治療薬としては痛みの早い段階でトリブタン系の薬を服用して血管の拡張を防げば良いでしょう。トリブタン系の薬剤は処方薬ですので、医師の診断を受けて処方してもらう必要があります。市販の鎮痛薬は生理痛はともかく、片頭痛への効果は極めて限定的です。痛いのを我慢せず積極的に医師に相談してください。


